自民党が「一強多弱」といわれた時代が、いまや遠い昔のようだ。派閥の後ろ盾も、分厚い民意の支えもなく、「宙ぶらりんの議会」の試練を受ける石破茂総理。だが漂流の末に国ごと座礁してしまったら、国民はたまらない。そろそろ本気を出してもらわないと――。 冬の総理官邸で、政治学者・東京大学名誉教授の御厨貴氏が、石破総理に政権運営の裏側を聞いた。 このインタビューの動画はこちら:【石破茂総理を東大名誉教授・御厨貴が直撃! 2025年のキーワード「楽しい日本」ホントの意味】 毎日緊張感マックスです御厨:総理になられて3ヵ月が経ちましたが、日々いちばん緊張される瞬間、あるいはホッとする瞬間はどんなときですか。 石破:朝から晩までずっと緊張していますね。携帯電話というのは恐ろしいです。午前1時だろうが2時だろうが、容赦なくかかってくる。 御厨:夜中でも、いつもお出になるんですか? 石破:どういう緊急の話かわかりませんから、なるべく出ます。だから電話が鳴らなくなる午前2時くらいから、朝5時くらいかな、ようやくひと息ついて。 御厨:ちゃんと寝ていらっしゃるんですか? -AD- 石破:一応、寝てますよ。でもあとは、本当に緊張感マックスですね。 夜の宴席も「この人とは会って、この人とは会わないのか」というようなバランスを考えないといけないし、まだ公邸も使えていないので。引っ越しする暇もなくてですね……。 ただ、総理になって、妻が東京に来てくれる回数は増えた。本当にホッとできるのは、その時くらいかなあ。 聞き手プロフィール:みくりや・たかし/'51年東京都生まれ。政治学者。東京都立大学教授、政策研究大学院大学教授などを経て東京大学先端科学技術センター教授。政治家のオーラル・ヒストリーなどの研究で著名 (责任编辑:) |