公的手続・制度2021.01.07 「国民年金」と「 扶養」の関係とは?「第3号被保険者」も解説国民年金の扶養に入ると国民年金保険料がかかりませんが、その条件はやや複雑です。この記事では、国民年金保険料と扶養の関係について解説します。 あわせて国民年金の仕組みを理解するために「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」の3種類の被保険者分類についても解説します。大切なセーフティネットである公的年金保険の基礎知識として参考にしていただければ幸いです。 「国民年金」と「扶養」との関係は? 国民年金の扶養に入れるのは「第3号被保険者」に該当する人厚生年金に加入する会社員や公務員などの人は、厚生年金保険を通じて国民年金保険に加入しています。厚生年金の被保険者は国民年金の「第2号被保険者」となります。 その「第2号被保険者」に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者は「第3号被保険者」となります。第3号被保険者に保険料の支払いは発生しません。 なお、厚生年金に加入していない個人事業主などの人は国民年金に直接加入する「第1号被保険者」となりますが、第1号被保険者に扶養されている配偶者は第3号被保険者となることはできず、扶養者と同じく個人で国民年金に加入します。 つまり、 年金保険料の負担のない被扶養者として国民年金に加入できる第3号被保険者となれるのは、第2号被保険者の配偶者に限られるということです。 扶養から外れたら「第1号被保険者」となり保険料を支払う第3号被保険者の人は、第2号被保険者である配偶者の扶養条件から外れたり、配偶者が退職あるいは離婚するなどした場合は、自身で第1号被保険者に切り替わる手続きを行います。第1号被保険者になると自分で保険料を支払います。 国民年金の被保険者は「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」の3つの種類に分かれます。これらの違いについては次の章で詳しく説明します。 「扶養」に入れる「第3号被保険者」の条件とは?「第2号被保険者」と生計を同じくしている20歳以上60歳未満の配偶者第2号被保険者の扶養に入れる第3号被保険者の条件は下記の通りです。 年齢は20歳以上60歳未満 第2号被保険者と生計を一にしているその配偶者 本人の年収が130万円未満 国民年金における被保険者の3つの種類について確認しておきましょう。 「第1号被保険者」:「国民年金」に直接加入する人日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は、国民健康保険の「第1号被保険者」の手続きを行う必要があります。ただし、厚生年金の加入者と、それらの加入者に扶養されている人は除きます。 国民年金に直接加入する「第1号被保険者」に扶養される配偶者や家族は、個人として第1号被保険者となり、保険料を納めます。国民年金に直接加入する人に対しては「扶養」の概念は無いためです。 「第1号被保険者」となるのは、次のような人です。 個人事業主・自営業の人 農業や漁業を生業とする人 学生・無職の人 会社に勤務していても短時間勤務等により厚生年金保険の適用を受けない人 上記の配偶者の人で、厚生年金や共済年金等に加入しておらず、また第3号被保険者でもない人 「第2号被保険者」:「厚生年金」を通して「国民年金」に加入する人民間企業の会社員や公務員などは勤務先を通じて厚生年金に加入し、同時に国民年金にも加入する仕組みとなっています。厚生年金の加入者は国民年金の「第2号被保険者」となります。 「第2号被保険者」の年齢上限は原則として70歳までですが、下限の制限はなく、20歳未満でも厚生年金が適用される企業等で働いていれば該当します。 厚生年金制度から国民年金に拠出金が支払われるため、国民年金保険料として別に負担することはありません。 なお、公務員は「共済年金」に加入していましたが、平成27年より共済年金は厚生年金に統一されています。 「第3号被保険者」:「第2号被保険者」の被扶養者「厚生年金」に加入している会社員や公務員などの「第2号被保険者」の人に扶養されている配偶者(20歳以上60歳未満)は、扶養者の加入する厚生年金を通して国民年金に加入し、「第3号被保険者」となります。 保険料は扶養者が加入している年金制度が負担するため、個別に納める必要はありません。 ただし、扶養者が65歳に達して国民年金の老齢年金の受給権を得ると、扶養者は第2号被保険者ではなくなるため、第3号被保険者であった被扶養配偶者は第1号被保険者となるため注意が必要です。 まとめ国民年金保険に加入する人は「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」の3種類に分けられ、年金保険の扶養に入れるのは「第2号被保険者」の配偶者で一定の条件を満たした人です。 「第2号被保険者」の被扶養者として国民年金に加入する人は「第3号被保険者」となります。「第2号被保険者」となる人は、会社員や公務員として働き、勤務先を通じて年金保険に加入している人です。 「第3号被保険者」のメリットは、自身で年金保険料を負担することなく、将来の年金を受け取ることができることです。 ただし、扶養者が「第2号被保険者」でなくなったり、自分の年収が130万円を超えるなどして扶養の条件から外れた場合は、自分で保険料を支払う「第1号被保険者」となる手続きを行う必要があります。 このように、年金保険の仕組みを理解するためには、第1号・第2号・第3号被保険者と呼ばれる被保険者の種別について理解しておくことが必要です。 ABOUT US TRANS.Biz編集部 TRANS.Bizの編集チームです。 NEW POST (责任编辑:) |