筆者は普段、ファイナンシャルアドバイザーとして様々な年代の方々からお金に関する相談を受けています。 どの世代の方々とお話をしても、「老後、年金だけでは生活できないだろう。何とかしたい。」と、老後資金に危機感を持っていることが分かり、今から老後資金の準備をしていきたいという声が非常に多いです。 最近ではNISAやiDeCoなど税制優遇のある制度を使い、老後に向けた資産形成を始められる方が非常に多く、これらについてなんとなく聞いたことがあるという人もいるでしょう。
このように、『何を始めるか。』ということも重要ですが、資産形成をする上で大切なことは、何年かけていくら資金を作っていくかという目標を決めて継続していくことです。 今回は多くの方が心配している老後資金について、まずは現在のシニアの年金事情を確認し、自身の場合どれくらい老後資金を準備していけばいいのかの参考にしていただければと思います。 1. 国民年金と厚生年金は「2階建て」公的年金の仕組みをおさらい!
【写真全7枚中1枚目】厚生年金と国民年金の仕組み、2枚目から年金一覧表&ねんきん定期便についてチェック! 出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成 すべての画像を見る(11枚) さいしょに日本の年金制度の基本をおさらいしましょう。 「公的年金は2階建て」などと言われますね。これは1階部分の「国民年金(基礎年金)」と2階部分の「厚生年金」から成り立つためです。それぞれの年金制度の概要を見ていきましょう。 1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)国民年金は「基礎年金」とも呼ばれる年金制度のベース部分。国籍を問わず、日本に住む20歳以上60歳未満の全員が原則加入対象です。 年金保険料は定額(※1)で、480カ月の全期間、未納期間なく保険料を納付すると、老後は国民年金(老齢基礎年金)の満額(※2)が受け取れます。 なお、保険料の未納期間がある場合は、その月数に応じて満額から差し引かれるしくみです。 ※2024年度の年額※1 国民年金保険料:1万6980円 ※2 国民年金の満額:6万8000円 1.2 2階部分:厚生年金厚生年金は、会社員や公務員、またパートやアルバイトとして特定適用事業所で働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入するものです。 厚生年金保険料は、収入に応じて決められ(※3)、勤務先と折半して給与天引きで納めます。老後の年金は納付済保険料で決まるため、年金加入月数と、その期間の収入により大きな個人差が出やすいのが特徴です。 次では、今のシニア世代が受け取る厚生年金・国民年金の「各年齢の」平均年金月額を確認していきます。 ※3:ただし、厚生年金保険料を決める「標準報酬月額」「標準賞与額」には上限額が設けられています。 (责任编辑:) |