社会保険の被保険者である従業員が、結婚や離婚をした場合には、会社は「国民年金第3号被保険者関係届」の提出が必要になるかもしれません。 この書類の提出が遅れると、従業員だけでなくその家族にも迷惑がかかってしまうので、担当者はできるだけスムーズに手続きをすすめましょう。 そこで今回は、国民年金第3号被保険者について、わかりやすく解説をしたいと思います。 国民年金第3号被保険者関係届とは国民年金第3号被保険者関係届とは、社会保険の被保険者である従業員が婚姻して、配偶者が国民年金第3号被保険者になったとき、または配偶者が扶養から外れて国民年金第3号被保険者に該当しなくなったとき、管轄の年金事務所に提出する書類のことをいいます。 この書類は、国民年金第3号被保険者となる配偶者に記入してもらい、提出は被保険者の勤務先の事業主が行います。 以前は、配偶者自身が、居住地の市区町村に提出していましたが、届出漏れを防止するため、現在は事業主が提出することになっています。 この届出をしないと、場合によっては、配偶者の保険料が未納扱いとなり、年金受給額が減額される可能性があります。 従業員だけでなく、その配偶者にも迷惑がかかってしまうため、事業主・担当者は、忘れないように手続きをしましょう。 そもそも国民年金第3号被保険者とは?国民年金第3号被保険者関係届とは、被保険者の配偶者が「国民年金第3号被保険者」に該当するとき、又は該当しなくなったときに提出する書類です。 国民年金第3号被保険者とは、会社員や公務員など国民年金第2号被保険者に扶養される配偶者(20歳以上60歳未満)のことをいいます。 国民年金第3号被保険者になると、年金保険料を支払う必要がなくなります。 国民年金第3号被保険者の配偶者が加入している厚生年金や共済組合が一括して負担しているためです。 ちなみに、国民年金第1号被保険者とは20歳以上60歳未満の自営業者や学生等とその配偶者のことをいい、第2号被保険者とは会社員など厚生年金保険の加入者、及び共済組合の加入者のことをいいます。 国民年金第3号被保険者関係届の提出が必要な主なケース国民年金第3号被保険者関係届の提出が必要となるのは、主に次のようなケースです。 配偶者が国民年金第3号被保険者に該当するとき例えば、被保険者である従業員が婚姻したときや、新しく入社した従業員に配偶者がいた場合などが一般的です。 また、従業員の配偶者の収入が基準以上であったため、扶養から外れていたが、退職や転職などにより収入が減って被扶養配偶者になった場合にも、この手続きが必要になります。 配偶者が国民年金第3号被保険者に該当しなくなったとき国民年金第3号被保険者関係届は、配偶者が第3号被保険者になった場合だけでなく、該当しなくなったときも提出が必要です。 該当しなくなるケースとしては、配偶者が死亡した場合や離婚した場合、配偶者の収入が基準以上になってしまい扶養から外れてしまった場合などがあります。 また、被保険者が65歳以上で老齢基礎年金の受給権を有する場合、国民年金第2号被保険者の資格を喪失するため、配偶者についてはこの手続きが必要となります。 なお、従業員である被保険者が退職により第2号被保険者でなくなったときは、配偶者は自動的に第3号被保険者でなくなるため、手続きは不要です。 国民年金第3号被保険者関係届の手続き方法国民年金第3号被保険者関係届の具体的な手続き方法は次の通りです。 必要書類 国民年金第3号被保険者関係届目的 配偶者の国民年金第3号被保険者の加入と脱退 提出先 被保険者の勤務事業所を管轄する年金事務所 提出期限 婚姻などの自由発生から14日以内 添付書類 被扶養配偶者であることが明らかとなる書類 被扶養者のマイナンバーカードのコピー及び委任状 (被保険者が被扶養者の代理人として事業主に提出をする場合) 手続きの流れ 手続きの基本的な流れは次の通りです。 従業員から配偶者が国民年金第3号被保険者に該当する、又は該当しなくなった旨の申し出を受ける 国民年金第3号被保険者関係届を被保険者に渡し、被扶養者に記入してもらう 被扶養者は作成後、被保険者を通じて国民年金第3号被保険者関係届を事業主に提出 会社から管轄の年金事務所に提出する 提出方法としては、窓口への持参・郵送のほか、電子申請も可能です。 添付書類国民年金第3号被保険者関係届には、添付書類として、被扶養配偶者であることが明らかとなる書類の提出が必要です。 具体的には、次の通りです。 被保険者の戸籍謄抄本または住民票など、被保険者との続柄がわかる書類 退職証明書や課税(非課税)証明書など、収入要件を満たすことを証明するための書類 ただし、医療保険者から健康保険の被扶養者であることの証明を受けた場合、これらの添付書類は不要となります。 医療保険者の証明については、健康保険組合ごとによって対応が異なるため、詳細については事前に確認しておきましょう。 国民年金第3号被保険者関係届の手続きを忘れるとどうなる?国民年金第3号被保険者が離婚等によって国民年金第1号被保険者になった場合、年金保険料の納付義務が発生します。 それにもかかわらず、国民年金第3号被保険者関係届の手続きを忘れ、年金保険料を納付しなかった場合、その期間は未納期間となってしまいます。 未納期間があると、将来受け取れる年金額が減少し、最悪の場合はもらえなくなる可能性もあります。 そうならないためにも、事業主・担当者は忘れずに手続きをするようにしましょう。 社労士(社会保険労務士)に相談できることをわかりやすく解説|SATO社会保険労務士法人 経営者や人事・労務の担当者であれば、社労士という名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。 ただ、中には「そもそも社労士に何が依頼できるのかわからない」という方も多いかと思います。 そこで今回は、社労士に相談できる業務内容や、必要になる費用、相談するタイミングについて、わかりやすく解説をしたいと思います。 sato-magazine.com 従業員の結婚により配偶者が国民年金第3号被保険者になったときや、逆に離婚等により国民年金第3号被保険者に該当しなくなったとき、「国民年金第3号被保険者関係届」の提出が必要です。 書類の記入は、配偶者が行いますが、管轄の年金事務所への提出は会社が行わなければなりません。 提出の期限は、結婚や離婚などの事由発生から14日以内となっています。 配偶者の年金額に影響が出てしまうため、担当者は忘れずにこの手続きをするようにしましょう。 国民年金第3号被保険者関係届について、「もっと詳しく知りたい」「社労士に直接聞いてみたい」という方は、ぜひSATO社会保険労務士法人にご相談ください。 (责任编辑:) |