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犬が来て 水のむ音の 夜寒哉・(正岡子規)
https://www.shutterstock/.com 庭から音がしているのです。よく耳を澄ますと意味が水を飲んでいる音です。この俳句の中にある季語は「夜寒」です。どれだけの寒さなのか?というのは、この俳句から感じられます。まだまだ、暖房などが行き届かなかった時代の、冬の寒さが俳句に流れています。 犬耳を 立てて土嗅ぐ 啓蟄に・(高浜虚子) 土の中で冬眠していた虫たちがそろそろ春を感じて顔を出す季節を唄った俳句です。犬がしきりに土の匂いを嗅いでいる先に居るのは、実は冬眠から起き始めた虫たちなのです。そして、急に虫が顔を出して、驚いた犬が驚いて思わず耳を立てているという様子を表現しています。 犬が来て 覗く厨の 春の暮・(山口誓子)
https://www.shutterstock/.com 春の暮れという表現から見えてくるのは、春の柔らかい夕方です。静かな田舎の光景を描いているような雰囲気です。そこには美味しそうな夕飯の準備が始まっていることもわかります。そこに、飼い犬が匂いに誘われてひょっこりと現れるというのが俳句が描く、さりげない日常の一コマなのです。平和そのもの、という感じがします。 草枕犬も時雨るか夜の声・(松尾芭蕉)
https://www.shutterstock/.com 旅の途中で冷たい時雨に遭うと、犬の物悲しい遠吠えが聞こえた情景は、なんとも虚無感が漂う様子です。仲間や親とはぐれた犬が時雨に打たれている様子と、旅人が孤独な時間を過ごしている様子が目に浮かぶようです。 古郷や犬の番する梅の花・(小林一茶)
https://www.shutterstock/.com 季語は梅でその番をする犬の様子と昔ながらの郷の様子が描かれています。きっと梅の香りがあたり一面に漂い、春の訪れを感じさせます。ここに登場する犬は、とても穏やかで番犬にするには、物足りないほどの穏やかさがあるのだと思います。 柿落ちて犬吠ゆる奈良の横町かな・(正岡子規)
https://www.shutterstock/.com 奈良の名産である柿を木後にして秋の奈良の様子を静かに描いている俳句です。奈良の横町に住む犬が、柿が落ちるさまに驚いて吠えているという、なんとものどかな光景が目に浮かぶようです。このような他愛もない日常を見事にとらえた季節感が漂う俳句は正岡子規らしさの象徴だと思います。 犬と季語を使った俳句の素敵さ 犬は人の暮らしに当たり前のように寄り添い、昔から良き相棒であり自然の光景に馴染む存在であったことが、多くの俳句から見えてきます。今改めて、犬と季語を意識した俳句に接すると、そのなんとも平和な雰囲気や切ない情景が心を打つものです。
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UCHINOCO編集部 UCHINOCO編集部では、ペットに関するお役立ち情報をお届けしています。 |






